駄文長文青島見聞録 ‐ 青島 A GO GO! ‐ (5)


<昼食>
店内は思ったより広く、多くの人でにぎわっている。ほとんどの人が、ラーメン丼に入ったワンタンスープと何やらパンらしき物を食べている。あれが人気商品なんだろう。まかないを食べているらしい店員さんまで同じ物を食べていた。ところでいつも思うのだけど、何で中国では店員も同じテーブルで食べるんだろ。日本では普通、厨房で食べるよな。

購入の仕方が分からずしばらくまごついたが、とりあえずレジのおじさんの所へ向かう。
「鶏スープワンタン2つください」
「他には?」
さてパンの名前が分からない。「あの人と同じ物」と先ほどの店員さんを指差す。レジからは死角だったので身をのりだすおじさん。他のお客さんが、「××だよ」とおじさんに教えてくれた。おじさんは、手元の箱からほかほかのパンを2つ取り出した。

テーブルに座って待つ。とりあえず、座れた事が嬉しい。その間にもどんどんお客が入れ替わり、結構繁盛しているようだった。その間を、「○○を注文したのは誰―?」と大声で聞きながら店員さんが歩く。ワンタン2つを持った店員さんが、そばのテーブルで「それを注文したのは俺たちじゃない」と言われている。
「あ、それ私達のです」
丼をテーブルに置いてもらった。もしかしたら他のテーブルのオーダー分かもしれないけど、まぁいいや。

ワンタンは美味しかった。というか、このぬくもりが美味しい。パンは手帳程度の大きさで、「餃子と肉まんの中間の生地を厚めに伸ばして、油をひいたフライパンで焼いて、保温器に入れていました」という味がした。レシートを見ると、「大焼」と書いてあった。このパンの名前らしい。ワンタン3元、パン0.5元。この値段でこの味なら充分だろう。

(↓これで約60円)
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「見てー、凄い数の電子レンジ」
Kさんが指差す先を見ると、家電量販店並みに電子レンジが積まれている。壁のメニューに「電子レンジ羊串」「電子レンジ鶏串」などとあって何だろうと思っていたが、謎がとけた。本当に電子レンジで暖めただけなんだ。それを堂々とメニューに記載している所が凄い。

<おやつ>
満腹になって店を出る。でも甘いものは別腹だ。通りを歩いていると、ケーキ屋が目に入ったので、入ってみた。最近、中国のパンはクオリティが上がりつつあるけど、ケーキはまだ、日本人の感性とは合致しないように思う。色彩が派手で、余りにも毒々しいのだ。

(↓通りから見たディスプレイ。左はウエディングケーキ)
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(↓これはまだ美味しそうだった方)
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実演コーナーと、カット販売のコーナーと、奥にサンプル展示のコーナーがあった。こちらではケーキはお祝いの贈答用らしい。テーブルにアルバムがあり、様々なケーキの写真が貼ってあった。オーダーメイドの参考用らしい。。

展示用のケーキの中には、灰色のクリームをベースにコーティングした2段重ねのケーキの上に、ハンドボール大の桃饅頭を載せた見本もあった。年配の人の長寿祝いに見えるが、日本でこれを贈ったら、ウケ狙いと思われるかもしれない。

近くに「百盛超級市場」と書かれたスーパーがあった。覗くと、ここでも糖葫蘆を売っている。
「Kさん、糖葫蘆食べへん?」
「うん…でも、さっきの屋台で見た黄色い果物、ここのには入ってないんやな。」
先ほどの屋台にあった派手な糖葫蘆には、楕円形のキンカンのような黄色い果物が入っていたのだ。確かにあれは気になる。それに、ここの糖葫蘆もゴマがけだった。これが青島風なのかもしれないけど、どうせなら正統派(?)が食べたい。
「じゃ、さっきの場所まで戻ろう!」

戻ってみると、先ほどの屋台は準備を終えてすっかり販売体勢になっていた。このお店が私達の心に留まったもう一つの理由は、いかにも「今作り
たてです!」と言わんばかりに横に置かれた、飴の煮えたぎった鉄の平鍋だ。よそでは鍋は置いていなかった。こんなもの置いて、何か(警察とか)来たらどうやって逃げるんだろう?売り子の女性は、私よりだいぶ年下に見えた。

「1本いくら?」
「こっちが1元、こっちが1.5元。サンザシは、酸っぱいのが好きならこっちが生で、嫌ならこっちの平べったいのがお勧め。こっちは火を通してあるから」
「これ(派手な方)は何が入ってるの?」
「サンザシ、葡萄、それとションニュークオ」
「???」
メモを差し出すと、「聖女果」と書かれた。やっぱり分からない。
「こっちは?」「シャンヤオドウ」
またメモ。「山薬豆」と書かれた。こちらは予想していた通り、むかごのようだ。
「で、ここの通りは何ていう名前なの?」
またメモ。「延安西路」らしい。
これだけうるさくして買わずに行ったら、とても嫌な客だ。派手な方を1本と、むかごを1本購入する。Kさんと半分ずつ交換しながら食べる。

(↓どれにしようかな…)
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むかごも初めてだったけど、大学芋みたいで美味しかった。さて問題の黄色い「聖女果」だが、食べても分からない。酸味も甘味もそれほどなく、炭酸
のような舌触りがある。「…サイダー?」と一瞬思ったけど、そんな訳ないよね。

※後で調べたら、「聖女果」は近年中国でブレイク中の
プチトマトの一種らしいです。

食後のデザートも食べて満足したので、中心街食いだおれ散策は終了。タクシーを拾って次の観光地へ。

<桟橋>
ガイドブック曰く「青島のシンボル」。海岸線から垂直に数十メートルほどまっすぐ伸びた桟橋は、360度海を眺められるのがウリらしい。関空へ行くバスからの眺めを思い出す。橋のたもとでは、岩を伝って海辺まで出ている人達も何人かいたが、とても足場が悪そうなので我慢する。桟橋の先端に向かってひたすら歩く。海風の強さで相当寒いだろうと覚悟していたが、そうでもなかった。

(↓夕暮れの桟橋)
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(↓心霊写真か?)
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…と思ったのは、しばらくタクシーの中で暖をとったからだった。歩くにつれどんどん体が冷えてきた。夕焼けの美しい素晴らしい眺めをゆっくり堪能する余裕も無い。つきあたりにある小さな建物が、避難場所の様に思えてくる(土産物屋か何かなんだろうけど)。道のあちこちで、かもめの餌を売るおばちゃんが立っていた。一袋1元。私達がお昼に食べたパンの方が安い。

とうとう突き当たりに到着。お店は、中でミニ水族館も兼ねているらしく、「珊瑚の世界・入場料4元」の表示がある。4元が40元でも、暖まれるなら中に入りたい。

その前に、一応最先端を見てみる。お店の先に更に展望スペースがあり、見渡す限りの海景色が広がっている。胸の高さほどの塀で守られているのだが、その塀の上に立ち上がっている少年達が居た。若いなあ。私よりももっと良い眺めが彼には見えているのだろうと思うと、ちょっと羨ましく、「とんっ♪」と押してみたくなる(←いけません)。

(↓桟橋から見た岸側(新市街側))
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(↓旧市街側)
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(↓小青島、または小琴島。次の機会に行ってみたい)e0039100_9354774.jpg


店内の「珊瑚の世界」は、かなりにしょぼかった。水槽に入った魚介類の展示とお土産が半々といったところだ。店員用の温風器(扇風機の形をしたヒーター)を借りて何とか暖まる。

<中山路>
くれなずむ桟橋を背に海岸へ戻る。この橋は、青島の本来のメインストリート「中山路」の延長線上にある。間の大きな道路を越えれば、中山路だ。
この道路には横断歩道は無い。地下通路を通る。地下道というのは何だか得体の知れない感じで怖いのだが、ここはこれまで見た中で一番大きく、しかも大土産物屋街となっていた。これまでにもあちこちで見たような、海産物の珍味・干したヒトデ(装飾品)・連パール・真珠の粉などが売られている。

青島に来てよく目に付いたのが、「虫シリーズ」。透明なプラスチックの中に本物の昆虫が保存されている。昆虫の種類は本当に様々。小蟹やイモリ(ヤモリ?)なんてのもある。某所にはゴ○ブリまであった。キーホルダーやストラップになっているようだけど、こんなお土産を貰ったら好意か嫌がらせか悩んでしまいそうだ。此処もやっぱりヒマなのか、店員さんがバトミントンをして遊んでいた。

階段を上ると、中山路。Muさんの言ったとおり、かなりさびれた印象。でも理由は「あちこちが改装中だから」だそうだから、改装が終われば、また青島一の繁華街として勢いを取り戻すのかも。あと、この賑わいの無さは、寒さのせいかもしれない。くどいようだけど極寒である。とりあえず空いているお店に入る。工芸品の土産物屋だった。ほとんどが値下げセール中だったけど、貰ったら困るような置物ばかりだ。そういえば、そろそろお土産の事を考えないといけない。

暖をとりたくて、手近なスーパーに飛び込んだ。
「暖かい!!」
「よし、一番上に登って、ひやかしながら降りつつ暖まろう!」
でもそれは失敗だった。どうやら暖房は1階入り口だけだったらしい。上に行っても全然暖かさを感じない。しかも丁度閉店時間だったらしく、降りてみるとどんどん片付けにかかっているところだった。このスーパーは、日本で言えば「西友」「ダイエー」レベルに当るだろうか。

西友を出て、次に空いているお店に入る。やけに小奇麗なお店だと思ったら、「百盛(パークソン)」だった。
「ああ…暖かい…」
ここは何とか全館暖房みたいだ。このお店なら、商品のクオリティも信頼できる。なんとなく地下へ降りて、食品フロアをひとめぐり。お土産になりそうな、ちょっとした品を物色する。疲れてきたのか、なかなか考えがまとまらない。
「とりあえず上へ行こうか…」

上のフロアへあがり、各階を冷やかす。スポーツ用品売り場に、エキスパンダー等の健康器具に混じって普通にヌンチャクが売られているのを発見。携帯で撮影しようとしたら、電池が切れてしまった。Kさんに撮影してもらう。

(↓買おうかどうしようか、かなり迷いました)
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次にレディースファッションのフロアへ。Kさんがお手洗いへ行っている間、なんとなく展示されている洋服を眺めてみたりする。昔は、どうしてもセンスの遅れを感じたものだけど、本当にお洒落なゾーンへ行くと、最近はそれを余り感じない。何と言うか、どちらが進んでいる遅れているではなく、たんにベクトルの違いだという気がする。ファッションに疎い私が言うのもなんだけど。

Kさんの戻りが遅いので、出発前に職場の人に散々脅かされた「試着室に回転扉(又は落とし穴)があって、アジア某所へ売り飛ばされる」という都市伝説がここのトイレで実践されているのではと心配になる。でも戻ってきて聞いた処では、特にトラブルがあった訳ではなく、単に私が待つ身で時間を長く感じただけらしい。トイレには暖房が無く、物凄い臭い(不潔というより食べ物の違いで)だったとか。

更にうろついて、最近日本のデパートでよく見るような、エスカレーターそばのベンチを発見した。暖かいところで休憩できる!ありがたく座る、
というかへたり込む。落着いたところで、お土産について計画を立てる。なぜか今回に限って、おみやげについて少しも良い考えが浮かばない。
「○○にはこれ、××にはこれ、だとするとここで△△を買って…」
Kさんは、特に御土産を買う必要のある人はいないらしい。完全に私の都合に付き合ってもらうことになり、申し訳なく思う。

ところで、そろそろ夕食も考えないといけない。
「この近くに春和楼ってところがあるみたいやねんけど、どう?」
「うん、ええよ、そこで」
行き方が分からないので、聞けそうな人を物色。隣のベンチに小じゃれた雰囲気のお姉さんが2人いた。えらい勢いで話し込んでいるので申し訳無い気もしたが、割り込む形で尋ねる。
「すみません、春和楼に行きたいんですが、どうやっていけば良いかご存知ですか?」
「良く分かんない」
非常に冷たく断られた。割り込んだのがいけないんだけど、なんだか、おしゃれな人ほど反応が冷たいなという気がした。

道を尋ねるのは後で再挑戦することにして、ここで買えそうなおみやげを一通り買っていく。地下で食品関係、書籍コーナーで本を購入。早口言葉の可愛い本を見つけたので、友人に1冊買い、昨日のカードは自分用にすることにした。それにしても、せっかく青島に来たのだから、おみやげは全部青島ビールにしたい所だけど、重さ・割れる危険・関税の事を考えるとそうもいかない。水に溶かせばOKの「携帯用粉末青島ビール」があれば良いのに。

買い物を終えると、9時半をまわっていた。入り口の所で男性の店員さんに再び春和楼の場所を確認する。この人も、従業員の癖に思いのほか冷たかった。とにかく大体の場所は掴めたので、再び極寒の道路へ。

店内の暖房で忘れていたけど、夜になるとひときわ寒い。ふるえながら5分ほど歩いて、待望の「春和楼」の看板を見つけた。喜んで入ろうとすると、なんだか様子がおかしい。1階の電気が消えている。2階だけなのかと思って階段をあがろうとすると、横からおじさんが何かどなった。
「もう閉店だよ、あと10分しか無いんだから!」

昨日Muさんに聞いた話では、青島の飲食業界は、閉店時間はあっても客がいる限り2時でも3時でも翌日の朝まででも店を閉められない、と聞いていたのだけど。誰もいなければ早く締めてしまうんだろうか。1人でも粘っているお客が居たら入れたかもしれない。あと10分あるなら食べさせろ、と要求しても良かったのだけど、押し切っても気持ちよく料理を出してくれる訳じゃなし、と思い店を出る。私がお土産買いなんぞに時間を費やさなければ…と悔やまれる。

さて困った。物凄くお腹が空いている訳でもないけど、食事は旅行の楽しみのひとつ(私にとっては)だ。このままホテルに戻って寝るだけ、というのは寂しすぎる。ひょっとしたら、最高級ホテルのレストランなら開いているかもしれない。
「Kさん、5つ星のホテルに行ってみようか?」
タクシーを拾って乗り込む。目指すは青島王朝飯店(チンタオダイナスティホテル)だ。
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  by rosa_hiho | 2005-09-15 05:00 | Others

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