駄文長文青島見聞録 ‐ 青島 A GO GO! ‐ (4)

そろそろ降りようと思ったら、なんと他の客がドアの前でぼーっと待っている。ここのエレベーターは従業員しか操作できないらしく、行き先ボタンの所に「お客様は手を触れないでください」との張り紙がある。待ちくたびれた客が、何度かその禁断のボタンを押したけれど、結局エレベーターがやってきたのは大分後だった。

9階へ。ここには、青島テレビ塔が誇る360度回転式の大レストランがある。Muさんに
「ここで夜景を見ながら夕食も良いですよ」
と言われていたので、ランチがあったらここで食べようか、とKさんと話していたのだ。でも全く営業していない。
「ランチはやっていないの?」
「今は全然やっていない。夕食もやっていない」
「いつから営業するの?」
「四月」
Muさんの言う通りにここで夕食の予定にしていたら、往生するところだった。ついでにロープウェー…というかリフトが動いているか尋ねたら、窓の外をじっと眺めた後「やっていない」と答えた。
いや、動いてないのは私でも見れば分かるって。

このフロアから階段で10階の露天展望台へ出る。眺めも良く、汚い窓ガラスに邪魔される事なく写真も撮れて、最高。でも尋常じゃなく寒い。

(↓本当は泣くほど寒いんです)
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(↓これ撮り終わったら降りようね…)
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(↓隙間から手を突っ込んで撮ったら、こんなに綺麗に。夏はまだ違う風情なんだろうな)
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(↓青島のシンボル、桟橋がうっすら見えます)
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容赦なく風に吹き付けられて、慌ててテレビ塔が風を遮る角度へ逃げ戻る。このフロアのエレベーター前には、「下へ降りたいときは従業員にお申し付けください」と張り紙がしてあった。暇そうにしていたフロアのお兄さんに声をかけると、どこか担当へ電話をしてくれ、ほどなくエレベーターが下りてきた。

3階は、聞いていた通り抽選会場。周りのお店らしき部分は、殆ど全く営業していない。これがいつものことなのか、この季節だけなのかは分からない。
とにかく、抽選台の前にだけは従業員が居た。私とKさん、それぞれ一枚ずつ券を引くと、私の券が3等当選だった。
「おめでとうございます!さあこちらへ」

小部屋に入ると、値札のついた中国画が一面に飾られていた。値札はそれぞれの画の値打ちの目安で、それだけの画を一枚ただで貰えるということらしい。
「ただし、表装代はお支払いいただきます」値札の一番下に書かれた数字を指差した。平均して90元前後必要なようだ。
「表装要らないよ、邪魔だし。中の画だけで良いんだけど。それでタダにならないの?」
「表装していない画はありません」
画を貰うのは止めて、話のタネに、部屋の内部を写真だけ撮らせてもらった。


(↓お好きな絵を一枚どうぞ♪)
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(↓でも、表装代は自腹です♪)
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3階から1階までは階段で、壁一面に様々に意匠化されたオリンピックのロゴが飾られていた。「オリンピック開催の喜びを、全身で表してみました!」といった雰囲気だ。

外に出るが、リフトも動いていないとなると、どうやって下界へ降りたら良いかが分からない。ふと面白い物を見つけて、すっかり意識がそちらへそれてしまった。
今中国のあちこちで見かける、ジムの健康器具をかたどった遊具だ。公園の遊具のように頑丈で単純な作りだけど、スカイウォークやウェストひねりやスクワットなど、色々なトレーニングができるようになっている。宝くじの収益の半分を使って作られているそうだ(残りの半分は老人福祉)。こんな所にもあるとは思わなかった。思わずKさんとしばし童心に返って遊ぶ。


(↓ムーンウォーカー?)
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(↓足腰が強くなるかな?)
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我に返って、もう一度帰り道を探す。看板に従って歩くと、長い階段があった。これも、例によってかちかちでツルツルの雪が凍り付いている。
「これ…?」
「ムリやろ!」
「ムリやんなぁ。他の方法を探そう」
こういう所には常時タクシーがたむろしているものと思っていたのに、その気配も無い。送迎バスらしきものが近づいたので追いかけて運転手に聞いたが、普通の業務車らしかった。
「どうやって降りたら良いかご存知ですか?」
「そっちを歩いていったら、ロウティがある筈だよ」

ここで大きな勘違いをしてしまった。ロウテイと聞いた瞬間、エスカレーターと思い込んでしまったのだ。エスカレーターが有って欲しいという願望の為にそう聴こえたのかもしれない。エスカレーターを探して再びテレビ塔の周りを巡ると、一人の青年が雪景色の公園を撮影していた。
「すみません、ここ、どうやったら下へ降りられるんですか?」
「こちらですよ」
青年は親切にも先導して案内してくれた。…その向かう方向に、いやな予感を感じる。予感は的中した。彼が指差したのは、先ほど私達が歩くのは無理と判断した、凍結した階段だったのだ。

「この階段を降りて、先を右に曲がって、少し歩いたらあの道路に出られるから、タクシーも拾えるよ」
下に開ける眺望を指差して教えてくれる。なるほど確かに車が走っている。
「これ…どれくらい時間かかるの」
「5分」
「5分!?ありえないでしょ!あんなに階段長いじゃないの、凍って危ないじゃないの!」
道を教えてもらっておいて良い態度だが、彼は怒るでもなく、「僕もこの道から来たから…」と勧めてくれた。
「降りて、その先を右、ね」
「そう」
「迷わない?」
「迷わないと思う…うん、迷わないよ」

とりあえずお礼を言って別れ、階段を降りる覚悟を決める。Kさんは慎重に、でも身軽に降りていく。私は明らかにその倍は時間がかかっている。階段はあちこちが凍りつき、場所によっては階段の外の地面(吹き溜まり)を歩いた方がマシな所もあった。
「これは青島でも珍しい光景なんだろうな…話のタネに写真を撮っておきたいけど、そんな場合じゃないよな」
と考えながら、ふと気がつくと、Kさんが、この過酷な階段と頂上にそびえるテレビ塔を、へっぴり腰の私も含めて撮影してくれていた。そんなKさんが大好きだと思った。


(↓す、滑る…)
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やっと一般道路に出る。タクシーを拾って、台東路へ向かう。台東路と行っても漠然としているので、目安として、地図に載っていた「市北書店」を指示していた。しばらくして運転手さんが言った。
「本を買うんだったら、他にもっと大きな本屋があるよ。あそこは小さいよ」
「あ、実は本を買いたいんじゃないんです。台東路がにぎやかだって聞いたんだけど、どこへ行けば良いのか良く分からなかったんで。一番にぎやかな所に行きたいです」
運転手さんは頷いてハンドルをきった。

<台東路>
「ここが中心だから!」と降ろされたのは、「万達××商場」と看板に書かれたデパートの前。道の両側に店が溢れ、さっきまでロウ山を歩いていた眼には、とても都会に見える。まずはそのデパートに駆け込み、ミネラルウォーターを購入してお手洗いへ直行。それほど空気が悪いとは感じなかったけど、とてもうがいがしたかったのだ。乾燥していたのかもしれない。人心地ついて店内を見ると、ここはファッションブティックがひしめくお洒落なデパートらしい。若い女の子たちが沢山いる。


(↓おお、都会だ)
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(↓ミニスカートだよ…勇気ある…)
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でも今必要なのは昼食だ。デパートを出て、昼食の取れそうな店を物色する。と、道端の焼き芋売りが目に入った。北京で一度食べた事があるけど、あの芋は全然味がしなかった。その思い出が頭をよぎるが、今必要なのは味より温度だ。正直、暖かい食べ物なら何でも良い。

近づいてみると、日本の芋より1.5倍はでかい。2人で1本という買い方に嫌な顔ひとつせず、「二つにしておいてあげるね!」と割ってそれぞれビニール袋に入れてくれた。配慮がありがたい。
「日本ではこれ、いくら位するの?」
芋の相場には詳しくないのだが「生で300円位、焼いて500円くらいかな」と答えると、高すぎる!と目を丸くしていた。ふと、彼女の顔が険しくなる。

「○○が来た…」

警察?と尋ねると、大丈夫、あなたは問題無いと笑顔になる。離れた方が良さそうなので、じゃ私達は行くね、と手を振って別れた。芋はとても美味しかった。柔らかくて甘くて、上等な芋餡みたいだ。ただし、皮離れは非常に良くない。身が殆ど皮にもっていかれてしまう。


(↓すぐ逃げられるように(?)車付き)
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食べ終わると少し落着いたので、昼ごはんの場所を物色がてら、街をぶらつく。一筋南へ降りてみると、魚市場ストリートだった。さすが海の町、海鮮の町。魚、タコ、蟹、スッポン、牡蠣、何でも売っている。日本の魚市場並みに新鮮そうだった。もう一筋南へ。

角で、「糖葫蘆(タンフール)」の屋台を見かける。糖葫蘆とはおやつの一種で、基本的には約30cmの串にサンザシの実(後で調べたらカイドウの実でも作るらしい)を10数個刺して飴がけしたもの。昔は冬の風物詩だったけど、最近は観光地などで年中見られるようになってきた。果物も、サンザシからイチゴ、キウイなども使われるようになっている。
久しぶりに見た糖葫蘆は、また一段と派手になっていた。1本の串に色とりどりの果物が刺さっている。とても気になったが、まだ準備中のようなので諦める。

そばに、おでん鍋のような形態の物を置いた屋台があり、看板には「関東煮」と書いてあった。この通りは、ちょっとこじゃれたストリートといった感じだった。道行く人も若者が多い。ただ困った事に、先ほどタクシーで通り過ぎた時はもう少し食べ物のお店が多かったように見えたのだけど、いざ歩いてみると全く見つからない。


(↓大阪の南船場に該当(ウソです))
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店を出て再び歩く。適当な所で右折してみると、異常に人が群がっている屋台があった。ただようこの尋常じゃない香り…これは…
「炸臭豆腐だ!」
臭豆腐は発酵食品で、日本でも瓶詰めが手に入るが、中国では揚げる(炸)らしい。以前試した時は、食べてみると案外臭いが気にならないものだと思ったが、とりあえず今は要らない。

少し歩くと、また糖葫蘆屋を発見。ただし、こちらにはゴマがまぶしてある。これは初めて見た。その先には「正宗」と看板を掲げた栗売り。「正宗」…正統派らしい。ここはちゃんと店舗を構えて、栗以外にも果物や乾物を売っている。山盛りの干し葡萄もある。あれがカシュガル産だったら美味しそうだなと思うが、買わない。

空腹の為食べ物ばかりが目に入るが、買わないのには理由がある。座りたいのだ。店内で、落着いて食事して、この後の行動に備えたいのだ。ふと先を見ると、最初に到着した「万達商場」が見えた。一周してしまったらしい。
「実はさっき、青島小吃快餐って書いたお店があってんけど…青島料理のファーストフード店みたいやねん」
「じゃ、そこ入ろうか」
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  by rosa_hiho | 2005-09-14 04:00 | Others

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