駄文長文青島見聞録 ‐ 青島 A GO GO! ‐ (2)


他の部屋にも、年代物のグランドピアノが置いてあった。青島に2台しかなかった物で、文革時代にもう一つは破壊、これも破壊される所だったのを「江青が弾いたピアノ」という事で保存が決まったそうだ。同じ部屋の壁に、歪んだ顔のレリーフがあった。元々西洋婦人の笑顔だったのが、文革中に叩き潰され、歪んだ泣き顔になったとの事。

最上階は、所蔵品展示室。部屋一面に飾りだなが並べられ、そのひとつひとつに玉の彫刻などの見事な工芸品がいくつも並んでいた。
毛沢東が宿泊した際、付近の住民が自宅に伝わる宝物を献上したところ、毛沢東は「私が独占する訳には行かない」と、迎賓館に寄付したそうだ。
そして今、迎賓館では補修が必要になり、青島政府の援助では賄いきれない分を稼ぐため、それらの宝物を売りに出している。棚ひとつ180万円。
「格安ですよ」確かにそうだ。バラ売りも可。

通路の照明は、赤・緑・青のガラスをはめた、ステンドグラスっぽいデザイン。…と思ったら、ガラスじゃなくてルビー・エメラルド・サファイア(!)だった。
「2ヶ所、外れている所があるでしょう?これが宝石だと鑑定された直後に盗まれたんです。だから、内部の者の犯行と言われています」今は、監視カメラが付いている。それにしてもでかくて綺麗な石だ。盗った人の気持ちが分かる。

(↓100年前からあるというトイレ。その割には綺麗)
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この迎賓館を完成させた2代目の提督は、予算を倍近くオーバーした為に帰国後クビになったそう。でも今これだけ外貨獲得に貢献していると知ったら、クビにされた事を恨むかもしれないな。
ところで、出口に絵葉書等のお土産コーナーは無かった。それに気付いたのは、翌日の夜だった…

<東方飯店>
【かつては青島を代表するホテルだったが、外資系ホテルに押され、やや格落ちぎみ。周囲に観光地が点在しているのがメリット。設備はやや古いが、従業員の態度は良い。】これが、事前に日本及び中国のサイトでチェックしたここのホテルの情報。

日が暮れかけた頃、ホテル到着。Muさんがロビーでチェックインの手続きをしてくれる。いやー楽だわ。「保証金に日本円で5千円必要だそうです」樋口一葉さんに人質になっていただく。
「国際電話かけますか?」かけると答えると、Muさんがその旨ホテルに伝えてくれた。

キーはカード式、2人で1枚。こういう所って、普通1人1枚くれるもんなんだけど。Muさんもそう思ったか交渉してくれたけど、このホテルでは一室1枚がしきたりなようだった。

1610号室は、旧ドイツ街に面し、右手奥に海、左手奥に山という景色が窓から臨める、素敵な部屋だった。内装も水周りの設備も、ほぼ完璧。ただ、洋服掛側のドアが壊れていて、開かなかった。さすが中国。今夜の夕食は旅行会社任せ。ロビーでの待ち合わせまで時間があるので、部屋でしばしくつろぐ。
Kさんが家へ国際電話をかけようとしたら、通じなかった。番号の打ち方が悪いのか?あれこれ試してみたけどダメ。諦める事にする。

(↓居心地も眺めも良くて、大満足!)
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(↓開かない扉もあったりはしましたけどね)
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早めにロビーに降りて、Kさんが両替する。渡された人民元は、5元足りなかった。フロントに言うと慌てて「すみません」と追加した。中国では珍しく穏やかな反応だった。私は、前回旅行した時に再両替しなかった分が700元ほどあったので、ここでは両替しなかった。この700元だけで今回は過ごせそうな気がする。

Muさん到着。電話が通じなかった事を言うと、フロントで確認してくれた。どうもホテルが設定を忘れていたらしい。

(このホテルの従業員…人柄は良いけど、粗忽者が多いんじゃ…)

チェックイン前に、何気なく「地図売ってないかな~」と言ったら、Muさんが2人分の地図を持ってきてくれた。行き届いてるな~。

<夕食>
ホテルからかなり近いレストラン。店名を覚えていないのが残念。
海に面したとても眺めの良いフロアの、角のテーブルに陣取った。次々に料理が運ばれてくる。
「ビールはこの一本までは無料です。紹興酒飲みますか?」高かったのでやめた。ビールは勿論、青島ビール。
次々に料理が運ばれてくる。殻つきの茹でエビ、カレイ(ヒラメ?)のから揚げ、ブロッコリの炒め物、牛肉炒めの中華風バーガー、小エビのスープ、上海蟹ならぬ青島蟹、フルーツ、チャーハン。2人前にしては、量が異常に多い。2人で美味しく、かつ必死に食べ進んだが一向に減る気配が無い。

(↓前菜)
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(↓魚)
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(↓ブロッコリ)
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(↓小エビのスープ)
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(↓牛肉バーガー・奥のパンに入れて食べる)
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(↓メイン(たぶん)のカニ)
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(↓チャーハン)
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(↓手前の白いのはドラゴンフルーツ)
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(↓2人前とは思えない分量)
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「これって、制限時間あるんだっけ?」
「無いんちゃう?」
「私らが食べ終わるまで、Muさんと運転手さんはひたすら待つんかな…」
奥の座席に座らせてもらった私からは、少し離れたテーブルで新聞を読むMuさんと運転手さんの姿が見える。食事をしている気配は無い。もう一つ気になるのは、このだだ広いフロアで、埋まっているテーブルは私達とMuさん達の2ヶ所だけだと言うこと。明らかに客より多い店員達が、フロアのあちこちからこちらを窺っている視線を感じる。うーんシーズンオフ。そのうち、ぽつぽつとではあるがテーブルが埋まって、ホッとした。

結局、料理を半分近く食べ残す。勿体無いとは思うけどもう入らない。隣席の団体に食べて貰いたいと心底思ったけど、冷めた食べ残しを勧めるのも失礼かと諦めて席を立つ。Muさん運転手さんにも同席してもらえば良かったかな。後で聞くと、
「ラーメン食べてきました。美味しかったですよ!」とのこと。やっと安心。

ホテルへ戻る。次にMuさんと会うのは、最終日の出国のみ。
「これを読んでおいてください」
と渡されたのは、旅行社からの資料。ホテルの利用方法や、出国の注意、オプショナルツアーの案内、アンケート等。Muさんの名刺もいただいた。
「何かあったら、いつでも電話してくださいね!24時間営業ですから」
心強い事この上ない。さすがANAハローツアー。
「ところで青島って、治安良いんですか?」
Kさんの問いに、こんな即答が返ってきた。
「良いですよ!夜中に出歩いても大丈夫です」
ガイドがここまで断言するのは初めて聞いた。普通大丈夫でも、ある程度慎重な表現をするものなのに。ガイドが言うくらいだから、本当に、よっぽど治安が良いのかもしれない。

1階のロビーをちらっと覗く。工芸品の土産物屋と一般雑貨の土産物屋があり、一般雑貨の方がまだ開いていた。早口言葉のカードがあった。○○さんへのお土産に良いな、と思うのだけど、なんだか商品が汚い。
「新しいのありませんか?」
お姉さんが在庫を出してきてくれた。が、前のより更に汚い。どうしよう、どうしても欲しい訳じゃないからやめようかな…
「…すみません、ちょっと考えて明日また来ます」
「値下げしますよ、○元でどうですか?」
「えっと、やっぱり考えて明日…」
「いいですよ、×元にしましょう」
別に値下げ交渉の為に悩んだフリをした訳ではないのだけど、格安で手に入ってしまった。Kさんも、子供用の絵本をお土産に購入した。

睡眠不足な上に盛り沢山のスケジュールを過ごした怒涛の一日を過ごし、さすがに疲れた。Kさんは翌日の朝風呂を希望したので、今夜は私の好きな時間に入らせてもらえるのだけど、疲れすぎて入る気になれない。顔だけ洗う。試供品のメイク落としではちゃんと化粧が落ちているか分からず、トラベル用の洗顔料ではメイク落としが落ちているか分からず、中国の水では洗顔料が落ちているかよく分からない。なんだか色んなモノが毛穴に残っていそうな気がするが、ともかく気分はさっぱりした。

窓から夜景を覗く。旧ドイツ街の夜景は、やけに地味だった。…と思ったら、Kさんにはとても感動的な光景だったらしい。
「なんか、現実味が無い感じ。作り物みたい!」そう言われると、オレンジの街灯が幻想的なような気もする。同じ物を見ていても感じることが違っているから、人と行く旅は面白い。

家へ無事到着の連絡を入れ、明日のスケジュールについてKさんとミーティング。
今回のキモは「ロウ山」(ロウは山扁に労)ツアー。ロウ山は、青島の観光地の一つなのだけど、山というよりは一帯の山脈。見所は多く、しかも都心からは微妙に遠い(北京-万里の長城よりは近そうだが)。

先ほどMuさんから貰ったオプショナルツアーによると、昼食付き・14:00ホテル着のツアーで約400元。他にも色々見て廻りたいので、14:00着はちょっと遅すぎる。Muさんの話によると、タクシーを1日チャーターして約400元だった。じゃ、半日なら200元?と聞いたら、そんな単純な計算じゃないだろう、と言われた。

旅行前に見たガイドブックによると、この東方飯店から朝発のバスツアーも出ているらしい。フロントに聞いたら、一人25元だった。その安さは魅力だが、16:00ホテル着とのことで、却下。

このフロントとのやりとりに、予想外に時間がかかり過ぎて(私のリスニング力の低さのせい)、すっかり遅くなってしまった。そこへ、いきなりのベル。
「*@¥;+&%$$#!」
全く聞き取れない。何度聞き返しても、意味をなさない音にしか聴こえない。
ええい面倒くせぇ、強盗だったとしても、私が刺されてももう一人いるから何とかなるだろうとドアを開けると(←無謀すぎ)、ホテル内のマッサージルームからの営業だった。彼女が去ってからも、追っかけてマッサージルームからもう一回電話で営業が来た。

ベッドに入ったのは、23:00をとっくにまわった後。早起きできたら、ホテルの前を散歩して、早朝の青島を味わってみたいな~…などと考えながらベッドに入る。携帯の充電に使う変圧器をフロントで借りるつもりだったのを思い出したが、もう起き上がる気がしない。

2005/02/20

<起床>
予定通りKさんは朝風呂。私の早朝お散歩願望は、外の超絶寒そうな景色の前にアッサリ消える。時間がありそうだったので、私も朝風呂に入る。十二分に広くて新しくて清潔なお風呂に不満は無いが、中国の硬水だけはどうしようもない。トリートメント無しだと髪がゴアゴアになり、一週間も滞在すると、日本で湯船に漬かって柔らかい水で頭を洗いたい!と切実に思う。お風呂は、どうしても慣れない中国ライフのひとつだ。

<朝食>
7:00に、Muさんから貰ったクーポン券を握り締めて食堂へ。店員に券を見せると「セット?それとも単品?」と聞かれる。ふつうホテルの朝食はバイキングだと思っているから、いまいち質問の意味が分からない。やりとりの末、バイキングはあちらよ、と指された方へ入ると、そこに居た店員が「今日は休み」と言って来た。なんなんだ。元のフロアへ戻って、セットを頼んでみる。

漬物とキンピラごぼう風の前菜・粟粥・ピータン粥・腸粉・三種類の点心・揚げ餃子・ピリ辛の揚げ春巻・味付けゆで卵、で一人20元。例のクーポン券は、このコースか、単品20元分に相当していて、単品をオーダーする場合は差額を払う仕組みになっているらしい。

(↓前菜。キンピラ風と漬物風)
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(↓左奥から時計回りに、粟粥・皮蛋粥・腸粉チャーシュー入)
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(↓点心の籠は、海老・野菜・カスタード、
奥がピリ辛春巻き、手前が揚げ餃子
一番手前が味つき卵。八角の香り)
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(↓やっぱり量多すぎです…)
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食べながら、暇そうな店員さんを物色。昨日Muさんがお薦めしていた「中山路より賑やかな通り」の名前を忘れたのだ。さすが若い女性、「台東じゃないの?」と即答してくれた。これで午後の繁華街見物の場所を確保できた。

食事の後、一旦部屋へ。Muさんが別れる前に言っていた事を思い出した。
「枕元にチップを置いておいてください。10元くらい」
チップは、ホテル代のサービス料(15%)に入ってるから要らないんじゃないの?北京や上海のホテルでは聞いた事ないぞ。しかも10元って高くないか?と心の中で思ったが、ガイドさんの言う事だし青島ではそうなのかも、確かに待遇はよくなるだろう、と置くことにする。1室10元ということで、2人のベッドの間にあるサイドテーブルに10元札を1枚。もし一人10元だったらごめんなさい。しみったれた客だと思われない事を祈りながら、部屋を出る。

<ロウ山(ロウは山扁に労)>08:00
身支度を整えてロビーへ。まずはロウ山へ行けるかどうか、これで今日のスケジュールが大幅に変わる。
ドアマンのお兄さんに聞いてみる。
「ロウ山へ行って、11時前に帰って来たいんだけど…1時間でいけるんでしょ」
「ロウ山!?片道で1時間だよ」
「分かってます、だから1時間で行って、1時間観光して、1時間で帰って来たいの。有名どころだけ見られればいいの。それでいくらになる?」

こんな流暢に要望できた訳ではないが、「ちょっとロビーのソファで待ってて、車を探してくるから。値段も確認して、また呼びに来るから」とどこかへ行ってしまった。このお兄さん、行くときも来るときも小走りで、接客熱心だなと感じられて嬉しかった。それにしてもこのロビー寒すぎ。

しばらくして、車がやってきた。私の要望したコースで、150元だという。Muさんの見積もりより大分安い。念のため、希望のルートと時間、金額をメモ書きして運転手さんに再度確認する。
「大丈夫、問題ない、自分はホテルの専用車だから安心しなさい!」と胸を張るタクシーの運転手さん。信頼できそうな人だ。

一路、ロウ山へ。「海と山を同時に楽しめる場所」というのが青島の売り文句とは聞いていたけど、実際目の当たりにすると、改めて感動する。険しい岩肌、澄み切った空、真っ青な海。岩肌から染み出た水が凍り付いて、滝のような姿を形作っているのがあちこちに見られる。こういう景色に出会えるのは、シーズンオフならでは。青島でも異常に寒い3日間に居合わせてしまった私達は、実はとってもラッキーだったんじゃないだろうか、と思った。ただし、車の中でだけだけど。

まず「ロウ山」全体の入場券を購入。聞いていた金額より安い。さすがシーズンオフ。
運転手さんが、「先に太清宮へ行くよ」とハンドルを切った。

<太清宮>

(↓今日も寒いぞ~)
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キョンシーでお馴染みの道教発祥の地。車から降りるや否や、ガイドの押し売りに取り囲まれた。
「付いていってやろうか?」
運転手さんも車を降りて、この人たちは日本人だから、あんた達がガイドしても分からないよ、と言いながら押し売りガイド達を追い払ってくれる。

でも、ひときわしつこいガイドが1人、更に私にかきくどいた。ガイドを聞いても聞き取れないから意味無い、と彼女に言うと、
「じゃあ、分かりやすく話してあげるから!…私は公認ガイドだから入場料が要らない。運転手を連れて行けば、あなた達の入場料に加えて、彼の分も入場料を10元払わないといけない。ガイド料は10元だ。同じ10元なら私に使えば、彼は寒い思いをしてあなた達についてまわる必要もなく、車で暖かく休憩していられる。」
ときた。分かりやすいガイドはともかく、このまま行くと運転手さんが寒い思いをする事になる、という言葉が気になった。実際、山の上にあるこの寺は尋常じゃなく寒い。
結局、「急いでいるから、ガイドは30分以内に終わらせて」とお願いし、運転手さんに待っててもらう事にした。

中に入ると、キョンシーみたいな衣裳(ただしもっと地味)を着た道士さんがあちこちを歩いている。その名も「ロウ山道士」だそうだ。観光地であると同時に、寺社としての機能も持続しているらしい。
青島の市花であるサンザシの下で写真撮影。冬に咲く花だそう。でもKさんが「咲いてる?」と訝しがる位に小さな花だった。

(↓花…咲いてますか?)
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次は「老楡樹」。唐代から1000年以上も生えている木。形状から、別名「龍頭楡」とも呼ばれている。口(に当る部分)を触ると体が良くなるとか、背中(に相当する部分)を触ると物事が順調にいくとか、言われているらしい。勿論よくよく撫でてきた。

さて、太清宮には3つの「殿」があるらしい。
まずは「三官殿」。それぞれ天(尭)、地(舜)、地(禹)を指すらしい。なんか中国の歴史か神話にそういうのがあったような。ちなみに、道教のお参りの仕方は、男性が左こぶしをにぎって開いた右手の平を添える。女性がその逆。…すみません、よく覚えてないんです。反対だったかもしれない。

奥へ行って「三清殿」。向かって左が西王母殿、右が東華帝君殿。この2人は兄妹なんだそうで、既婚者は正面で家族の幸せを祈り、未婚者(男)は西王母殿で「良い奥さんに出会えますように」、未婚者(女)は東華帝君殿で「良い旦那さんに(以下略)」と祈る。勿論私とKさんは東華帝君殿へお参りした。
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  by rosa_hiho | 2005-09-12 02:00 | Others

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