勝手にレビュー:無言激
Hideo Canno Norio Kajiki / 音楽専科社
ISBN : 4900343323
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『唖然!奇才HIDEの天才的感覚が作り上げる
初のVISUAL & HARD SHOCK』
1992年、こんなキャッチコピーと
共に発売された、HIDEちゃん監修の写真集です。
余談ですが、彼には「奇才」「鬼才」という形容が似合いますねー。
特に「鬼才」が。(辞書によると、「人間離れした才能」らしいですよ。
…うーんぴったり♪)
「こんな人が写真集を作ると、
こういう風になるのだな」という事が
非常に良く分かります(笑)。
いかに自分を素敵に撮るか、ではなくて
いかに自分を使って面白い写真を撮るか、に
心を砕いている所が、いかにも彼らしい。
ロケ7ヶ所、スタジオ2ヵ所、バックステージにドーム密着、
A to Z、と時間と予算を使い倒した超豪華仕様。
各章の冒頭につけられた自作エッセイ(?)には
solo woksの歌詞の片鱗が垣間見られます。
復刻版じゃなくて初版バージョンを持っているのが
ちょっと自慢です♪(古本だけどさ)
第1章 サディストの憂鬱
この写真ちょっと分かりにくいですが、
SMやボンデージに凝っていた当時の傾向が
色濃く反映されてます。
片目しか出ていないのに物凄い迫力。
第2章 舞枯
このテの退廃的な風情が、ほんと良くお似合い。
ただ、カラーで見ると、エクステが黒いんですよね。
地毛と統一して欲しかった。もしくは地毛を黒にするか。
それだけが、ちょっと不満です。
(大好きな一枚↓)
第3章 俗信仏
私は何も与えず
何も求めない
君は何も期待せず
何も信じない
私は何も聞かず
何も諭さない
君は何にも従わず
何にも景仰しない
私は私の中に
君は君の中に
祈れ
この詩大好き!特に最後の三行。
思いっきり突き放しているのに、
奇妙な連帯感のある感じが良いです。
全身金粉塗りたくり…
見るからに皮膚呼吸できなさそうですが
見事に似合ってるのが素晴らしい。
(↓魔除けに良いかもw)
第4章 双生
自分の中の、相反する2人の自分。
歌詞にも時々、そういうイメージ出てきますね。
こういうのを見ていると、AB型だね~と思います。
(↓手にしているのはヘビ。
そういう事するから、"おチャメな爬虫類"とか
呼ばれちゃうんじゃないかなぁ…)
第5章 INTO THE BACKSTAGE
朝6時にドーム入りした伝説を持つ男(笑)。
いくらメイクや髪立てに時間がかかるからって
12時間も余裕を見ておくって…どんだけ慎重なんだ(^^;
この時はそこまで早くは無かったと思うんですが
開演までにちゃくちゃくと支度を進めていく様子が
丁寧に写し出されています。
(↓ハ虫類対決)
第6章 ON STAGE
私が魂を奪われた"HIDEの部屋"始め
本業(笑)のギタリストとしてのカッコ良さが全開!!
金髪、ペイントモッキン、PATAちゃんの付け毛
…懐かしいですね~
(↓演奏中は指に何もつけないのが彼のこだわり)
第7章 自己中心的な静物
ヒデラ誕生(笑)。
写真ではこの章が一番好きっ♪
このセピア色のHIDEちゃんを描いてみたいと
どれほど願ったことでしょう。。。
技術も根気も無い私には、どだい無理な話でした。。。
それにしても、これ、どこかの廃ビルの
屋上だと思うんですが、怖くないのかなぁ。
(↓あぁ絵心がそそられる…)
(↓これっ!この表情ですよ!!)
(↓ただいま脱皮中w)
(↓一番描きたかったのはコレ。この顎。)
第8章 浄化
「パイプ男になりたい。」
衣裳担当さんに、HIDEちゃんがした説明は
これだけだったそうです。(あと、ちっちゃな白黒の写真)
担当さんは夜毎パイプ男の夢にうなされながらも
これを創り上げ、「この衣裳は恵美ちゃんの勝利」と
HIDEをして言わしめたんだとか。
多くのプロフェッショナルの力が結集して
できた作品なんだという事に、
改めて気づかされるエピソードです。
第9章 鍵
無くしたのは此処
見つけたのも此処
見た事も
来た事もない此処
又、此処に来た
失うために?
見つけるために?
この詩も好きっ♡
この撮影が行われた前夜には、
前泊ロケならではの「狂乱の宴」が繰り広げられ、
数々の伝説が生まれたらしいですが(笑)、
写真からはそんな疲れは微塵も見えません。
極寒の海に入ったり、砂丘を豪快に転げ落ちたり、
体を張った名シーンがラストまでたっぷり続きます。
(↓眼で殺す(笑))
A to Z MONOLOGUES
ただのA to Zと侮るなかれ。
ひとつのアルファベットにつき、お題が3つずつ、
つまり、3×26=78個もの質問に答えているのです。
しかも、ひとつひとつ非常に丁寧に。
fanなら絶対、一読の価値アリです!!!
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最終章のコメントにも書きましたが、
この写真集は本当に、買う価値があります。
最初から最後まで、見ごたえ充分!!
最後に、表紙撮影のエピソードをひとつ。
赤ちゃんを膝に抱いた姿(ちなみに、表表紙は赤ちゃんの、
裏はHIDEの口が加工で消されてます。
「"無言"激」だから?)だったんですが、
この赤ちゃんが、抱かれた瞬間
火がついたように泣き出して、あやしてもあやしても
一旦泣き止んでも、抱かれるとまた泣き出す始末。
結局、泣き疲れた一瞬を狙って撮ったそうです。
言われてみると、確かに、赤ちゃんが微妙に
歪んだ表情をしているのが分かります(笑)。
ちなみに、HIDEちゃん自身も必死であやそうとしていて、
それがまた妙にサマになっていたそうですよ。
けど、この↓メイクした顔にいくらあやされても…ねぇ…(^^;
(↓この顔に見下ろされたら、
赤ちゃんもさぞ恐ろしかった事でしょう)
Today's【にほんご/汉语/English】
*あやす/哄hong3(孩子)/lull
by rosa_hiho | 2006-06-23 01:14 | hide & X