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勝手にレビュー:In Motion

リクエストをいただいたので、こちらの曲についても
すこーし語らせていただいちゃったりしてみようかなと思います。

In Motion
hide / ユニバーサルJ
ISBN : B0000677MP
スコア選択: ※※※※



98年以降に発表された新曲(?)のうちのひとつ。
TV番組「世界ふしぎ発見!」のエンディングに採用されたりで、
比較的お茶の間に浸透している曲…かな?

ごめんなさい、先に謝ってしまいますが
この曲、どうしても100%ポジティヴに聞こえないんです。
曲はポップだし、根本的には充分前向きなのに
一部の歌詞にひっかかってしまって…

なんか、hideちゃん精神的に物凄く最悪の時があって
(理由は分かりませんし、単に好不調の波みたいな物かもしれませんが)
そこから抜け出しかけ、または完全に抜け出したけど
まだどこか衰弱している、でも意識は完全に前を向いている…
そんなイメージを感じてなりません。
(あ、だから全体的&最終的にはポジティヴな歌だとは思うんです。)

以下、その路線で進めていきますので、
「この曲で元気を貰っている!」
という方が読まれる際はご注意ください。


*****************


駆けめぐる季節の中で
見失った夢の続きを
つかまえて抱きしめているだけじゃ
色あせるだけ


この部分は、hideちゃんのインタビューで
頻繁に感じられるキーワード「大事なのは今」に
繋がるものがあるように思います。
「自分に『考える前にやれ』って言ってる」とか言ってましたよね。

散らばる過去かき集めても
重ね合わせ縫い合わせても
見えるのはゆがんだ記憶の中
逃げてゆく姿


ここも、前の段落に同じく
過去にこだわってたって現在&未来は拓けない、と
言われているような気がします。
逃げていく『姿』ってのは、過去に持っていて、でも
今掘り起こすべきではない、
今は新たに立て直すべき夢やヴィジョンを
象徴しているのかなと。

(…なんですけど、この部分、個人的には
今こうやってhideちゃんの画像やら
エピソードやら記事やらを掻き集めて
色んな人のhideちゃんに対するコメントを読み漁って、
それで却って98年以前よりもhideちゃんが遠ざかったような気がする
自分自身に、非常に厳しく響く時があります(^^;)


あの頃の君の声さえ
今の僕には痛い
目を閉じて探す
ひとひらの花は
明日に咲く


ここ…書いていいものかどうしようか迷ったんですが…
『君』は、もう二度と会えない大事な人、に聴こえるんです。
あの…時々お話に出てきた、サーベルタイガーのトキヒコさんとか。
それぐらいの、厳然とした別離を感じるんです。
『痛い』って書かれちゃうとね。

と同時に、前段落の『姿』同様、過去の夢やヴィジョンを
擬人化させたものを指しているのかも??
と思う時もあります。
そのほうが歌としてはつながりますね。

…ごめんなさい、前述の解釈とめちゃくちゃ矛盾するけど
単純に「記憶の中の誰か」にも聴こえてきた。生死に関わらず。
自分でもいいし、友人でもいいんですが、
現在と過去(学生時代とか)とでは明らかに違いますよね。
そういう意味での「二度と会えない」ってのもアリだなと。
過去の自分達が脳裏に蘇って辛く感じる時って、ありますよね…

後半で『ひとひらの花は 明日に咲く』と出てきて、
マイナス→プラスへの意識の変化に救われます。

ちなみに、『ひとひらの花』のイメージは桜一輪(茎無し)です。

Emotion inmotion
時は流れても
Emotion inmotion
変らないい想いを
Emotion inmotion
胸に刻み付けて
踏み出そう
わずかな光の中


VISIONや構想は時代に合わせて立て直す必要があっても、
昔抱いたspiritsはそのままに、といった感じでしょうか?
ところで、ここの『わずかな光』にひっかかるんです…
気にしすぎとは思うんですけど、『わずか』って語が持つイメージは
割とマイナスなものじゃないですか?
後に出てくる部分と共に、「え、わずかなの?」「え?失うの?」
と、気になってしまうのです。

繰り返す日々に殺され
幕は閉じたとしても
瞳の中こぼれ落ちてゆく夢は
ドアをたたく


前半2行が表しているのは、精神的な死だと思います。
何をしても見ても聞いても感情が動かないような、
「今、自分は死んだ魚みたいな目をしてんだろうな~」と
思うような時って、ないですか?
ああいう状態を指しているのかと。

そしてここでも、後半にマイナス→プラスへの救いの場が。
けど瞳の"中"なのは何故なんだろう。。。

Emotion inmotion
今をちぎり取り
Emotion inmotion
明日に投げつける
Emotion inmotion
転がる先には
Emotion inmotion
つかれはてて

いつか胸の中
からっぽになって
笑えず泣けない
朝が来ても

Emotion inmotion
風はまだ吹いている

Emotion inmotion
時は流れても
Emotion inmotion
変らない想いを
Emotion inmotion
胸に刻み付けて
つきぬけよう
光失う前に


ああああ…この部分は分けられないっっ!!!
楽曲の、余りにも見事な一連の盛り上がりが耳元で聴こえて
一度はこの塊のまま載せずには居られませんでした(^^;

さて、これから小分けにしていくとしますか…

始めのサビの部分。
『ちぎりとり』『投げつける』という語句の選択に、
一見アクティブな姿勢ながらも
(語り手は自覚してないかもしれないけど)
自分自身を重荷の如く引きずりながら
無理やり毎日を生き抜いている様な危うさを感じます。

そして、『ころがる』『つかれはて』と
また若干負の匂いがする言葉が続いて、


ここでこのメロディーの変化は卑怯じゃありませんか?
泣いちゃうじゃないか(笑)。

しかし、穏やかなメロディーなだけに却って、
歌詞の重さが胸に刺さるような…
あと、『笑えず泣けない』なんて、
経験した人じゃなきゃ書けないと思います。
笑うには苦しすぎて、泣くには虚ろすぎる、
あの気持ちを実感として知らなきゃ。
そして、(遡りますが)そんな状態だからこそ、
『君の声』が『痛い』のでしょう。

そして!この歌一番の要!(と勝手に思っている)
『風はまだ吹いている』。
"人智を越えて、本当に大事な物は
恒久に変わらずにそこにある。"
だから本当は何も心配する必要ないんだよ、
そう言われているような気がします。

そういえば、PSYENCE発売の時「音楽と人」で
「音楽は、宗教というか、包み込むもの」
みたいな事をちらっと語ってましたよね。
市川さんも「前はそんな話しなかったのに」と驚いてた(笑)。
彼にとっての『風』は音楽だったということ…かな?

そして、楽曲は怒涛のクライマックスへ。

ここまでくると、最後の『失う』という語が持つ
ネガティブさは、余り気にならなくなってきます。
それよりも、それでも「あえて」一歩を踏み出そうとする姿勢に
逆に強さを感じたりして。
上の『明日に咲く』『ドアを叩く』で
小さくマイナス→プラスへの変化を描いて
この部分でどーん!とプラスを表現したように感じました。
彼は、弱ろうが苦しもうが、根本の、おおもとの処に
物凄くポジティブな精神を持った人だったんだな…と思います。

結局、まとめるとこんな↓感じでしょうか。

「一見明るく見えて実は一部辛い、でも
最終的にはその辛さをも包容する前向きさを持った、
只の前向きソングよりもよっぽど強い前向きな歌」

…自分でも何を書いているか
分からなくなってきたので、これにて終了!


************


相変わらずの戯れ言うわ言たわ言、
申し訳ありませんでした~!
次回以降は普通のレビューに戻ります。

  by rosa_hiho | 2005-10-07 01:10 | Lifelog

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