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勝手にレビュー:hide SINGLES~Junk Story

収録曲のほとんどは、過去のアルバムでも聴けますが、
このアルバムには、98年以前未発表の作品が
2曲含まれています。
「In Motion」と「Junk Story」。
特に、私の日記のタイトルにも
使わせていただいている「Junk Story」は
このアルバムでしか聴けません。

本日は、この「Junk Story」について
思いっきり語ってみちゃいたいと思います!(^^;

hide SINGLES~Junk Story(通常盤)
hide 森雪之丞 / ユニバーサルJ
ISBN : B00006AFY8
スコア選択: ※※※※※

初めて聴いた時の感想…
メロディー・歌詞ともに、久々の
「なんじゃこりゃあ!」でしたね。
1回聴いただけじゃ消化できなくて、
何度も何度も聴く内に、すっかりハマってしまいました。

実は未だに消化できてません。
聴く度に歌のイメージがくるくるかわって、
まるで万華鏡を覗いている気分なんです。
hide学の検定試験なんかがあったら、
私はぜひこれを上級試験に持ってきたい。
この歌詞の解釈を述べよ、って。

歌詞の世界を細々と解剖するなんて所業が
無粋極まりないのは百も承知で、以下、
それぞれの段落について思うところを書いてみます。


あ、その前にひとこと。

青字の部分最高!!特に声!
涙が出るくらいイイ!!倒れる位にイイ!!!
これを世に出すにあたって、関係者の皆さま色々葛藤はあっただろうけど、
hideちゃん自身が98年以前に出さなかった気持ちも何となく分かるけど、
でもこのフレーズが世に出た事に私は心から感謝します!!!


すみません、取り乱しました。。。
では、ここ↓から…


********

見たいものは山ほどあるのさ
いつか見た様なきれいな景色
(中略)
頭悪そうなギターの音が
連れて行くよと しゃべり続けた


冒頭は、ロックに目覚めた頃の
松本少年が見ていた風景かな~と
解釈しました。

見降ろしたそこは
昔欲しがってた場所
あんなに遠く思えた君は
話す言葉忘れて
ここで何を歌うの?
あの日見た物語を話そうか?


この辺から分からなくなります。
まず、最初の2行は、いまやロックスターとして成功を収めたhide自身が、
少年の頃憧れていた「ロックスターの地位(=『そこ』)」について
考えているってことでしょうか。
でも、「見降ろし」てるってことは、
今はそれより更に高みにいるってことですよね。。。どこだそれ?

次に、『』は、松本少年が好きだったロックスター達?(KISSとか)
それとも、なりたいと夢見ていた"ロックスターとしてのhide"?

前者だとすると、残り3行は
かつてほどの輝きを保っていないロックスター(いるとすれば)への
松本少年&現在の松本秀人氏からの問いかけ、と思えるけど
後者であれば、松本少年から"ロックスターとしてのhide"
への語りかけ、でしょうか。

次…『』が上記2者いずれだとしても、
ここ』はshow bizの世界を指しているのかなって思うんだけど、
だとすると、最初の2行についての語り手の立ち位置が
さっきの解釈だとおかしいって事になるんですよね。。。

ここで眠って
ここで目覚めて
繰り返す中 消えそうな君を
あの日の景色に捜して


えー、先ほど取り乱していた部分(笑)です。
やっぱり『ここ』=芸能界、かな。
で、消えそうな『』は「純粋なロック魂を持った松本少年」…
でも、先ほどの2者のどちらか、と解釈できなくもない。
『あの日の景色』に捜すわけですから。
となると、この段落での『君』には選択肢が合計3つできてしまいます。

くさるほどの 山ほどの宝
いつか見た様なきれいな景色
赤毛の変な頭の中まで
誰に分かってくれとは言わない


この段落も、現在の"hide"が
語り手になっているのかなと解釈しました。
『赤毛の変な頭』だし(笑)。

枯れてしまった声 震わせて
ガラクタの歌 うたってた
バラバラな夢 かかえた君に
NOISEの花は教えてくれた


えーと、最初の2行の主語は、前の段落の続きで"hide"?
でも、『うたってた』と過去形だから、3行目につなげて、
』=夢に向けて頑張っていた頃の松本少年、と読めなくもない。
あと、ここの『』は、この曲の聴き手=私たち、に聴こえる事もあります。

欲しがった物は
ここで見つかりますか?
夢見た夢はあふれてますか?
話す言葉忘れて
ここで何を捜すの?
あの日の物語は忘れたのか?


さあ、どんどん分からなくなります(^^;。
この段落、主語を全部無くした上に
場所が全部指示代名詞だから、余計に
解釈の幅がありすぎるんですよね~。

語り手=松本少年、"hide"
対象="hide"、松本少年が憧れたロックスター、ファン又は聴き手の皆さま
『ここ』=芸能界、現代社会

お好きな組み合わせでお楽しみください(笑)。

見降ろしたそこは
あたたかい事でしょう
聞こえた歌も聞こえないほど
話す言葉忘れて
僕は何 歌いましょう?
あの日の物語
明日の歌につなげようか


取り乱した部分その2(笑)。
前半の3行、今の状況が状況だから
お空のhideちゃんが今の私たちを見ている心境?
とか思ってしまいますが、制作当時はそんな意図ないだろうし、
さてそれならばどういうイメージなのでしょう。

私は、doubtの「そんなにそっちの水は甘いか」に
通じるものがあるんじゃないかな、と思うのですが。
だとすると、松本少年が"hide"に対して、
やや警告を込めて語りかけているように聴こえます。
(相変わらず、『そこ』を見降ろしているその人は
一体いまどこにいるの?というのが謎ですが)

でも、先に書いた方のイメージで聴こえる時もあります。

とにかくこの部分の声は、あまりにも優しくて切なくて、泣けてきます。

で、ここに来て初めて、『』という一人称が出てきますね。
この『』は…
演出された"hide"でもなく、松本少年でもなく、
当時30歳(?)の松本秀人氏でもなく、
でも、その3人のどれでもあるような…?

『話す言葉忘れて
僕は何 歌いましょう?』
と言いながらも、途方に暮れるといったマイナスな感情は
ここからは感じられません。
それよりも、これからは上記3者をあえて区別せず、
自分は自分として、ありのままに音楽と共に生きていこう…という
決意表明のようにも感じるのです。

…お?

こうやって書くと、この段落は綺麗にまとまったような???

あーでもやっぱり、聴く度にまた
色んなイメージがわらわらと湧いちゃうんだろうな~。

今も見える Junk Story
君の中の Junk Story
まわるまわる Junk Story
僕の中の Junk Story


ここでもやっぱり『君』にはいくつかの解sy(以下略)。
聴きようによっては、写真集「無言激」第3章「俗信仏」の
エッセイに繋がるものを感じたりもします。

私は私の中に

君は君の中に

  祈れ


って書かれた、アレです。

今も見える Junk Story
君の中の Junk Story
まわるまわる Junk Story
僕の中で Junk Story


聴いている私の脳内もまわるまわる(笑)。

昔、いちロックファンだった自分が
今はファンに憧れられる立場になり、
かつて自分がいた場所には
新たにロックファンの子達がいる。
そうやって、立場がくるくると入れ替わりながら
ロックの世界は受け継がれていく…

そういう風に聴こえる時もあれば、単純に
「それぞれ、自分だけの"蓄積されたモノ"と"夢"を持っている」
と聴こえることもあるし、HURRY GO ROUNDを連想したり、
または輪廻っぽく聴こえることもあります。


**************


一つの作品に対して、受け手が1000人いれば
1000通りの受け止め方がある…
どんな芸術作品もそういうモンだと思いますが
きっとこの曲も、最終的な回答なんて
用意されていないのでしょう。

私の解釈なんて全くの見当違いかもしれないけど、
確かhideちゃん、昔インタビューで
「曲は聴き手が好きに解釈すればいい」みたいな事を
言っていたように思うし、これからも、
安心してこの曲について悩んでいこうと思います。

  by rosa_hiho | 2005-10-04 23:37 | Lifelog

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